切替の進むヤフー検索のGoogle化
最近はテレビ番組、特にニュースをほとんど見なくなってしまったのですが、情報に困るということこはありません。インターネットや携帯・モバイル端末を通して思っている以上に情報に接する機会が多いのです。今の時代は情報を遮断することの方が難しいようです。
こんにちは、ピーシー・ブレインの高山です。
さて、ホームページの活用方法を中心とした「WEBマーケティングのヒント」というタイトルで、今月もお役に立つ情報をお届けいたします。
切替の進むヤフー検索のGoogle化
今年中に切替すると発表されたヤフー検索エンジン(YST)のGoogleエンジンへの切り替えですが、ここにきて検索結果にも多くの環境で反映されるようになってきました。
右のグラフは、あるホームページの検索結果の順位を記録したものですが、11/18にを境にしてヤフーとGoogleの検索結果がほぼ同じ順位になっています。
ヤフーの順位がGoogleに一方的に近づくという変化の仕方です。
このホームページの場合は、検索結果がヤフーの方がGoogleよりも有利だったため、検索ロジックの変更によって結果が下落する状態になってしまっています。
(※この逆のケースも当然あります)
ここから分かるように検索エンジンの切り替えは、前触れなく突如として行われ、ある日を境にして検索結果へすぐに影響を与えてしまうのです。
【図】検索エンジン別検索順位遷移
ヤフーの検索エンジンの切替は年内での完了を目指して急ピッチで進んでいます。SEO対策として、Google検索エンジンへの対応は、できるだけ早めに進めることをオススメします。
2010年のキーワード
2010年もあと1ヶ月ほどになりました。
この季節になると、メディアではいろいろな年間ランキングが発表されますが、ここでは、毎年恒例のヤフーによる年間検索ワードランキングを紹介しましょう。
図 2010検索ワードランキング(Yahoo!)
http://searchranking.yahoo.co.jp/ranking2010/
今年はの1位は、3年連続で動画配信サービスの「YouTube」です。動画コンテンツを探している人が増えているのはもちろんですが、テレビなどのメディアでも情報ソースとしてて紹介される機会も増えていますので、認知度はすでにかなり高くなっていますので、ブックマークがわりとしてYoutubeにアクセスするために使っているケースが多いと考えられます。
以降の10位までの順位では、mixi,Amazon,楽天やGoogleといったおなじみのキーワードが並びますが、今年の注目はなんといっても「Twitter」です。前年のランキングの圏外からの一気に8位にランクインしています。
Twitterの場合、検索回数だけでなく、実際に利用者もこの1年で急増しています。メディアで取り上げられる機会が増えただけでなく、実際にメディア連動や企業活動での一環として利用されるケースが多いため、利用者が一気に増えたという背景もあります。
ほかには、ブログ関連のサービスで、「アメブロ」が昨年からさらに順位を上げて、周辺サービスの「アメーバピグ」なども30位に入ってきています。
また、日本ではまだ本格的には浸透していませんが海外で爆発的に普及したソーシャルネットワークサービスの「Facebook」も検索数を伸ばしてきています。
ネット関連以外の一般のキーワードとしては、「AKB48」が圏外から検索数を伸ばしています。
モバイル検索ランキング
先に紹介したキーワードのランキングは、PCからの検索によるランキングです。これがモバイルのランキングになると少し様子が変わってきます。
最近のモバイル端末では動画を閲覧できるものも多くなっていますが、やはり多いのはゲーム関係です。
モバイル向けのゲームサービスを提供している「モバゲー」「GREE」が上位に位置しているのがPCとの大きな違いです。
このモバイルでも「Twitter」は注目キーワードでモバイルとの相性の良さが分かります。
キーワードの傾向を調べる
ランキングからは総検索回数が分かりますが、これは年間を通じて一定の検索数があることを意味している訳ではありません。
季節変動のあるキーワードは、検索数が大きく変動しますし、イベント・ニュース性のキーワードはピークが突出したような形になります。キーワードの検索数を時系列で捉えればそのキーワード需要の伸びも分かります。
次のグラフは、「Twitter」というキーワードの検索数の推移です。
Twitterの場合は、昨年の後半から今年の前半にかけて急速に検索回数が増えている様子がこのグラフからもよく分かります。
次のグラフは「エコポイント」の検索回数です。制度が変更になる3,4月の時期と、この12月にかけて検索回数がかなり増えている様子が分かります。
このグラフは、Google が提供しているInsightsというサービスで出力することができます。
キーワードの変動傾向を把握すれば、より効果的に広告やSEO対策などに投資することができます。
なお、このInsightsの利用にあたって料金はかかりません。無料で提供されています。活用しない手はありません。
Google Insights for Search
http://www.google.com/insights/search
「検索」「キーワード」の注意点
ランキングやキーワードツールやInsightsのようなツールを利用することで、検索エンジンの利用状況やキーワードの検索数をもとにしてニーズを推測することができます。これはインターネット利用者の多くが検索エンジンを入り口にしてホームページやネットのサービスを利用するケースが圧倒的に多かったという行動様式が前提になっています。
ところが、最近のインターネットにはちょっとした変化が起きてきています。
最近では、ソーシャルメディアとよばれる双方向性を持ったネット上のTwitterやFacebookのようなネットワークサービスが台頭してきています。米国ではこの3月にFacebookがGoogleのアクセス数を超えたというような調査レポートもありました。
このことが意味しているのは、検索エンジンではない場所からホームページに到達する可能性が今後は非常に多くなってくるということです。
例えばリアルタイム性という点で、Twitterは検索エンジンを凌駕します。Twitterで伝搬している情報を機転にしてホームページなどへ到達する訳です。従来のキーワード情報に依らないアクセスの流れが発生するのです。しかも、ソーシャルメディア上では「人」の存在を感じやすいので検索エンジンの結果よりも反応しやすいという特徴があり、このことはコンバージョンなどを考えた場合には極めて重要です。
Facebookの利用者が増えてくればこの傾向はさらに顕著になると予想されます。
こうなると、これまでのSEOだけに頼った対策では十分なアクセス・反応が得られなくなる可能性がでてきます。これからのインターネットでは、入り口は検索エンジンだけではないことを頭にいれておきましょう。